「Anything Goes」は、『Appetite for Destruction』の中でもいちばん“下品で軽い”。
でもそれが必要なんだよ。
アルバム終盤で、説教にもドラマにも逃げず、LAの猥雑さをそのまま投げつける役がいる。
制作史の肝はここ。
- 『Appetite for Destruction』(1987)収録。アルバム後半の“治安の悪さ”をさらに押し込む曲
- ルーツはバンド結成前後の初期レパートリーにあり、後年の録音で“商品”として整え直された
- 作曲クレジットはAxl / Slash / Izzy / Duffの共作扱いで、初期ガンズのライブ感が濃い
- 内容は露骨で、当時のLAの猥雑さ=『Appetite』の世界観を極端に煮詰めた
1) ざっくり年表(迷子防止)
- 1985〜86頃:初期ガンズのライブで原型が回り始める(曲としての“素材”期)
- 1987:『Appetite for Destruction』制作・録音(プロデュース:Mike Clink)
- 1987-07-21:アルバム発売、収録
- 以後:アルバム曲として“好き嫌いが分かれるが、初期の匂いが濃い枠”で定着
2) 背景:『Appetite』は“欲望”のアルバム。その欲望の泥を引き受ける曲が必要だった
『Appetite』って、名曲だけ並べたら綺麗に見える。
でも実態は、欲望と破滅のアルバムだ。
- 「Mr. Brownstone」で依存
- 「My Michelle」で生活の崩壊
- 「You’re Crazy」で衝動
- で、ここで「Anything Goes」
つまり終盤で、欲望をもっと露骨にして、
“この街はこういう場所だ”と叩きつける。
3) 録音・制作の流れ(制作史の核心):下品さを消さず、曲として成立させる
この曲、整えすぎたら死ぬ。
でも荒すぎると、ただの悪ノリで終わる。
Mike Clink体制の役割は、その中間を作ること。
- ヌメッとした猥雑さは残す
- でも演奏は崩さない
- コーラスとリフで“曲としてのフック”を保つ
結果、下品なのに耳に残る。
悪趣味なのに、妙にポップに聴ける。
そこがガンズらしい。
4) 曲の性格:これは“思想”じゃない。“空気”の曲だ
「Anything Goes」はメッセージ性で勝つ曲じゃない。
勝ってるのは、空気。
- 夜の街の雑さ
- 人の距離の近さ
- ルールのゆるさ
- そして軽い悪意
そういう猥雑な空気が、リフとノリに変換されている。
『Appetite』の世界観を説明したいなら、この曲を流せば話が早い。
5) アルバム内での役割:終盤の“治安”を担う
この曲は、アルバムの名曲枠じゃない。
でも重要枠だ。
- 終盤で“汚れ”を増す
- その汚れがあるから、最後の「Rocket Queen」のドラマがより濃くなる
- 『Appetite』が“ただのヒット盤”じゃなく“街の記録”っぽくなる
つまり「Anything Goes」は、
アルバムを現実に引き戻す泥担当。
6) 音の聴きどころ(一般向け)
- 軽いのに汚いノリ:明るく聴けるのに、空気が不穏
- リフのポップさ:下品な題材でも“曲として口に残る”のが強い
- ボーカルの距離感:美化しない。笑いながら突き放す
- 終盤配置の効果:この曲があると、アルバムの“夜”がよりリアルになる
まとめ(この曲の本質)
「Anything Goes」は、
LAの猥雑さと“なんでもアリ”の空気を、下品ポップとして曲に固定し、『Appetite』終盤の治安をさらに下げる泥担当だ。
好き嫌いは分かれる。
でも、これがないとアルバムが綺麗にまとまりすぎる。
ガンズは、綺麗に終わらせない。
参考リンク(検証用)
- https://en.wikipedia.org/wiki/Anything_Goes_(Guns_N%27_Roses_song)
- https://en.wikipedia.org/wiki/Appetite_for_Destruction
- https://en.wikipedia.org/wiki/Guns_N%27_Roses
- https://www.gunsnroses.com/
