「How Many More Times」は、レッド・ツェッペリンのデビュー盤のラストに置かれた“総決算”だ。
ここには初期の武器が全部入ってる。
- ブルースの粘り
- リフの圧
- 即興の伸び
- ステージでの怪物化前提の構造
制作史の肝はここ。
- デビュー作『Led Zeppelin』(1969)のラスト曲。録音は1968年のOlympic Studios期
- ベースのリフが中心で、そこから複数セクションへ展開する“メドレー構造”
- 元ネタ/引用が複数絡み、後年クレジットや影響関係が語られがちな曲でもある
- ライブでは長尺化し、他曲やブルース定番を織り込む“即興の器”として定番化
1) ざっくり年表(迷子防止)
- 1968-10:デビュー作録音(Olympic Studios中心)
- 1969-01(米)/ 03(英):アルバム『Led Zeppelin』発売、収録
- 1969〜70年代:ライブで長尺化。メドレー/即興パートが拡張される
2) 背景:ラストに置いた意味がデカい。“俺たちはここまでできる”の証明
デビュー盤の締めで11分超。
新人がやる曲順じゃない。
でもツェッペリンは、これをラストに置いてこう言ってる。
- 短いロックもできる(「Communication Breakdown」)
- ブルースもできる(「I Can’t Quit You Baby」)
- で、全部まとめてやることもできる(「How Many More Times」)
つまりこれは、締めじゃなく宣言の最終段だ。
3) 録音・制作の流れ(制作史の核心):スタジオ版の時点で“ライブの設計図”になっている
この曲は、スタジオ録音なのに、構造がすでにライブ向きだ。
- メイン・リフで引きずり込む
- 途中でセクションが変わる
- テンションの上下でドラマを作る
- 最後にまたリフへ戻って締める
これ、完全に“ライブで伸ばせる作り”。
つまりツェッペリンは最初から、
録音物をステージの演目として設計していた。
4) リフの主役:ベースが曲を支配している
ツェッペリンのリフ曲って、ギター主導に見えがちだ。
でもこの曲の中心は、明らかにベースのリフ。
- ベースが主導してグルーヴを作る
- その上でギターが噛みつく
- ドラムが抑えと推進で支配する
結果として、曲が“重いのに動く”状態になる。
この“動く重さ”が初期ツェッペリンの強さだ。
5) 影響・引用の話:ブルースを吸い込んだ時代の宿命が見える
この曲は、複数のブルース定番やフレーズを吸い込んでる。
だから後年、元ネタや影響関係が語られやすい。
ここで筋だけ通す。
- 60年代末のロックは、ブルースの共有財産感覚が強かった
- ツェッペリンはそれを巨大化し、演目として再構築した
- その一方で、後年の基準では“引用の整理”が必要な場面も出てきた
「How Many More Times」は、
革新と影の両方が同居してる初期曲の代表だ。
6) ライブで怪物化:メドレーの器として伸びる
ライブになると、この曲はさらに“何でもあり”になる。
- セクションを増やせる
- 即興を伸ばせる
- メドレーを差し込める
つまり「Dazed and Confused」と同じく、
ツェッペリンのステージ運用の核になる曲のひとつだった。
7) 音の聴きどころ(一般向け)
- 冒頭のリフ:これだけで勝つ。引きずり込み力が異常
- 展開の切り替え:曲が“場面転換”する。ライブ設計が見える
- 中盤の妖しさ:ブルースの艶とロックの暴力が同居
- 帰還の快感:最後にリフへ戻ることで“物語が閉じる”
まとめ(この曲の本質)
「How Many More Times」は、
デビュー盤のラストで“ブルース+リフ+即興+メドレー”を全部盛りにして、ツェッペリンのライブ設計図まで見せた初期総決算だ。
新人がやるサイズじゃない。
でも彼らは、最初から新人じゃなかった。
参考リンク(検証用)
- https://en.wikipedia.org/wiki/How_Many_More_Times
- https://en.wikipedia.org/wiki/Led_Zeppelin_(album)
- https://www.ledzeppelin.com/
