「Your Time Is Gonna Come」は、レッド・ツェッペリンのデビュー盤の中でも空気が違う。
暴力的なリフじゃなく、オルガンの荘厳さで始まる。
でも優しい曲じゃない。
内容はしっかり冷たい。
“いつかお前の番が来る”という、静かな復讐の匂いがある。
制作史の肝はここ。
- デビュー作『Led Zeppelin』(1969)に収録。JPJのオルガン主導が際立つ
- 録音は1968年のOlympic Studiosでの短期制作期に行われた
- 導入のオルガンは教会的な響きで、アルバムの“硬さ”を一瞬ゆるめる役割を持つ
- 直後の「Black Mountain Side」へ繋がり、アルバムの流れとして“異世界感”を作っている
1) ざっくり年表(迷子防止)
- 1968-10:デビュー作の録音期(Olympic Studios中心)
- 1969-01-12(米):アルバム『Led Zeppelin』発売
- 1969-03-31(英):同アルバム発売
- 以後:アルバム曲として評価が蓄積し、“オルガンのツェッペリン”を示す定番に
2) 背景:デビュー盤はリフだけじゃない。“空気を変える曲”が必要だった
『Led Zeppelin』は、初手から攻撃的な曲が続く。
だがそれだけだと、アルバムは単調になる。
そこで効いてくるのが「Your Time Is Gonna Come」。
- オルガンで宗教的な“重さ”を作り
- そこからロックバンドとして落とす
- さらに次曲へ繋げて、アルバム全体の起伏を作る
つまりこの曲は、単体で派手に勝つというより、
アルバムの流れを支配する曲だ。
3) 録音・制作の流れ(制作史の核心):JPJのオルガンが“世界観”を作った
この曲の主役は、明確にジョン・ポール・ジョーンズ(JPJ)。
- オルガンの導入で“教会感”を出す
- そこからバンドが入ることで、神聖さが崩れる
- 結果、歌詞の冷たさがより浮き上がる
ここがうまい。
音が先に語って、歌詞が後から刺す。
4) 歌の中身:これは慰めじゃなく、予告だ
タイトルは “Your Time Is Gonna Come”。
直訳すれば「お前の時が来る」。
だが文脈としては、祝福じゃない。
- 裏切りへの怒り
- ただし怒鳴らない
- “落ちるのはお前だ”と淡々と告げる
この冷たさが、オルガンの厳かな導入と噛み合う。
教会みたいに始まって、内容は呪いに近い。
だから不気味で良い。
5) アルバム配置の妙:次曲への橋としても強い
この曲は、単体で終わらず、
「Black Mountain Side」へ滑り込む。
この並びで何が起きるか。
- ロックの暴力から、一瞬“別世界”へ行く
- アコースティック要素が前に出る
- デビュー盤が“ただの爆音”じゃないと示せる
ここでアルバムが広がる。
6) 音の聴きどころ(一般向け)
- 冒頭のオルガン:教会みたいな荘厳さ。ツェッペリンの意外な顔
- バンドが入る瞬間:神聖さが崩れて、現実に引き戻される
- 歌詞の冷たさ:怒鳴らずに刺すタイプの復讐
- アルバムの流れ:次曲への接続まで含めて完成している
まとめ(この曲の本質)
「Your Time Is Gonna Come」は、
オルガンで“教会の空気”を作り、そこから裏切りの予告へ落とすことで、デビュー盤に陰影と起伏を与えた“もう一つのツェッペリン像”だ。
暴力的なリフだけじゃない。
空気の支配もできる。
それを最初のアルバムで見せてるのが怖い。
参考リンク(検証用)
- https://en.wikipedia.org/wiki/Your_Time_Is_Gonna_Come
- https://en.wikipedia.org/wiki/Led_Zeppelin_(album)
- https://www.ledzeppelin.com/
